『餅ねずみとお友達』

餅ねずみは、丸い大きなボールみたいな体をした、真っ白なねずみです。

あまりにまん丸なので、トランポリンの上を跳ねるように進んでいくことができます。

ある日のこと
いつものように跳ねながら、買い物に出かけました。

ぽん ぽん ぽん ぽん 

街でばったりと、いちごウサギに出会いました。

いちごウサギは、目がいちごのような形をしています。

そして、いちごのようなとてもいい匂いがします。

いちごウサギさん、こんにちは!

何してるの?

いちごウサギは、こう答えました。

今日は天気がいいし、お気に入りのシャンプーを買いにきたら売り切れてたから、自分でシャンプー作ろうかなぁって思って、今から山に材料探しに行こうと思ってたの。

餅ねずみくんも、一緒に行く?

餅ねずみは、そう言われて3.3356秒迷いました。

それから、お気に入りの詩を読み終える時間くらい待ってから、こう答えました。

でも、僕は買い物したいから、今日はやめておくね。

いちごウサギとお別れをして、また跳ねながら進んで行きます。

ぽん ぽん ぽん ぽん

そこで、たまたま通りすがりのバナナ馬に出会いました。

バナナ馬は、鼻がバナナのような形をしています。

しかも、なぜかパイナップルの匂いを漂わせています。

バナナ馬くん、こんにちは!

何してるの?

バナナ馬は、答えます。

今日は、そよ風が心地良いから、風を感じながら詩を書こうかなと思ってさ。

よかったら、餅ねずみくんも一緒に詩を作らないかい?

餅ねずみは、洞窟の中の水たまりに一雫の水滴が響いているくらいの間考えました。

そこから3回くらいくしゃみをする時間待ってから、こう答えました。

でも、僕は買い物したいから、今日はやめておくね。

バナナ馬とお別れをして、また跳ねながら進んでいきます。

ぽん ぽん ぽん ぽん

そんなこんなで、餅ねずみは色々な生き物で賑わう市場に着きました。

そこでは、この世で欲しいもの全て揃ってるくらいの色々な物が売っています。

月の光を反射させて夜道を照らす月鏡だったり、喉が渇いた時に水のありかを教えてくれる占いの葉っぱだったり、たくさんの便利グッズが売られています。

餅ねずみは、色々なものを見ながら歩いていきます。

ぽん ぽん ぽん ぽん

気になるものが、ひとつだけ見つかりました。

ばね靴が売られていました。

ばね靴を履くと、まるでばねのようにぴょんぴょん飛び跳ねながら歩くことができるのです。

餅ねずみは、普段からぽんぽん跳ねているので、それにばね靴を履いたらどうなるか試してみたくなりました。

ばね靴を買って、さっそく履いてみました。

ぽん ぽん ぽん ぽん

いつもよりたくさん跳ねます。

どんどん跳ねるので、どんどん遠くに進んでいけます。

どこまで高く飛べるか、思い切って飛んでみました。

ぽん ぽん ぽん ぽーん

餅ねずみの体は一気に跳ね上がります。

高く高く、空に向かって上がっていきます。

なんと雲の上に辿り着くことができました。

餅ねずみは、生まれて初めて雲の上に来ました。

そこでは、綿あめのような真っ白な景色が遠くまで続いています。

風に流れてく雲に寝転がって、ふわふわ浮くこともできます。

餅ねずみは、しばらくの間ここで暮らしたいなと思いました。

でも、よくよく考えると、ここにはいちごウサギさんはいません。

バナナ馬くんもいません。

ほんのすこしだけ、さみしい気持ちになってきました。

さっきお誘いを断ってしまったことも、今になってすこし後悔してきました。

優しいお友達が、いつも一緒にいれる訳ではないのです。

やっぱりお家に帰ろう。

そう思って、ふわふわな雲に乗って帰りました。




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